メタバースでの信用構築について

今回はメタバースでの信用構築について少し見解を述べてみたいと思います。メタバースの信用構築において通常のSNSと異なる点は主にアバターの存在があげられるものと思います。

本人確認において最も信用度の水準が高いのが現実に存在する本人(変更困難な姿、住所、家族、戸籍等)として、ネット空間ではそこに複数の匿名アカウントが紐づき、メタバースではさらにそこにアバターというものが乗っかってきます。

姿も変わればアカウントも変わるという状況で、これはかなり複雑です。

リスクを伴わないコミュニケーションを行っているレベルでは問題ないのですが、金銭的なやりとりなど実生活に影響を与えるやりとりが発生してくると途端に信用という壁に当たるわけです。

そういう局面になると、結局のところ現実の本人確認が必要になり、途端に現実世界に引き戻されてしまう。(実際三軸工房でも実名での秘密保持契約を結びます)

メタバースにおいてビジネス上の取引を行うには、直接本人確認を行うか、匿名で進めるのであればお互いの信用を担保する仲介的存在が必要になるでしょう。

一方、非営利活動であればそこまでシビアではないですが、それでもやはり信用というのは大事で、そういった場合の匿名空間における信用構築には、”そのアカウントを捨てるリスク”だったり、”そのアバターを捨てるリスク”を負っていることを示すことが有効だと思います。

ゲームでレベルが上がったアカウントや、課金アイテムをたくさん保有しているアカウントは簡単には捨てないだろうとなるのと同じで、こういったものは匿名空間において信用を得る一定の効果があるのだろうと思います。(これまでの活動実績等もそこに紐づいていたり)

メタバースにおいてはアバターもそうです。オーダーメイドのフルスクラッチのアバターで活動をしていれば、そこに一意性が認識できますし、そこにかけた費用やアバターへの愛着というものが一定の信用を得る効果に繋がるものと思います。それを簡単には捨てられない、下手なことはできない・・・という心理ですね。

非常に容易に作れるデフォルトアバターが匿名性を感じさせるのは、その容姿が画一的であるのと同時に、それを捨てるリスクを伴わないというところがあると思います。

つまりメタバースにおいてユニークなアバターは、信用をストックする受け皿としての機能も果たすことになります。(営利活動を行う上でもオリジナルアバターは便利!)

メタバース上での活動を行う際は、どこに信用をストックしていくかという視点は持っていた方がよいでしょう。活動を通してなるべく変わらないものに信用をストックしてゆくのがよいのではないかと思います。

例えば企業のマスコットキャラクターをメタバース上で運用する場合に、信用をその裏側の人物にストックしてゆくような活動を許せば、一見うまくいっているように見えても中の人が変わった瞬間に周囲の人は離れていきます。

一方でビジネスを前提に活動をするのであれば、メタバース上でも中の人の信用をストックしていった方が動きがスムーズになるので、情報発信についてもそういう方向性(信念や人柄を見せる等)になってゆくのだろうと思います。

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