FBXモデルは、3Dアバターやオブジェクトの交換によく使われるファイル形式ですが、そのままではデータが重く、動作が遅くなることがあります。特にVRChatなどのVRプラットフォームでは、軽量化は必須の作業です。
この記事では、FBXモデルを効率的に軽量化し、さらに見た目を改変するための基本的な方法を解説します。
FBXモデル軽量化の主要な手法
軽量化の主な目的は、描画負荷を減らすことです。描画負荷は主に「ポリゴン数」「マテリアル数」「テクスチャ解像度」に影響されます。
1. ポリゴン(頂点)数の削減
ポリゴン数が多いほど、グラフィックボードが処理する頂点の数が増え、負荷が高くなります。
- デシメート(削減)機能の利用:
- Blenderなどの3Dモデリングソフトウェアには、モデルの形状を大きく崩さずにポリゴン数を減らす「デシメート」機能があります。
- モデルの見た目を損なわない範囲で、積極的にポリゴン数を削減しましょう。
- 非表示部分の削除:
- 服の下に隠れて見えない体や、オブジェクトの裏側など、レンダリングされない部分のポリゴンは削除します。
2. マテリアル数の削減(アトラス化)
マテリアル数が多いと、CPUやGPUの切り替え(ドローコール)が増え、処理が重くなります。
- テクスチャ・アトラス化:
- 複数の小さなテクスチャを1枚の大きなテクスチャに統合する作業をアトラス化と呼びます。
- アトラス化を行うことで、テクスチャの枚数とマテリアルの数を減らすことができ、劇的に描画負荷を下げられます。
- Unityでは、TexTransToolやAvatar Optimizerなどの外部ツール/アセットを利用すると効率的に行えます。
3. テクスチャ解像度の最適化
テクスチャデータはVRAM(グラフィックメモリ)を消費します。不要に高解像度なテクスチャは負荷の原因となります。
- 不要なテクスチャの削除:
- 使用していないテクスチャや、アトラス化後に不要になったテクスチャはプロジェクトから削除します。
- 解像度の調整:
- 遠くから見るだけ、または目立たない部分のテクスチャは、512×512や256×256など、適切なサイズに縮小します。
- 圧縮設定:
- Unityなどの環境では、テクスチャのインポート設定で適切な圧縮形式(例:DXT5)を選ぶことも重要です。
FBXモデルの改変方法
FBXモデルの改変は、主にテクスチャとメッシュ(形状)の2種類があります。
1. テクスチャの改変(色や模様の変更)
テクスチャはモデルの表面の色や模様を決定する画像データです。
- テクスチャの抽出: Unityなどでモデルに使用されているテクスチャ画像(PNG, JPGなど)をプロジェクトから抽出します。
- 画像編集ソフトで編集: PhotoshopやGIMPなどの画像編集ソフトでテクスチャを開き、色を変更したり、模様を書き加えたりします。
- モデルへの適用: 編集したテクスチャをUnityなどのプロジェクトに戻し、対応するマテリアルに適用し直します。
2. メッシュ(形状)の改変
モデル自体の形を変えたり、アクセサリーを追加したりする作業です。
- 3Dモデリングソフトへのインポート: BlenderやMayaなどの3DモデリングソフトウェアにFBXファイルをインポートします。
- 形状の編集:
- スカルプト機能やプロポーショナル編集機能を使って、体型や顔の形を調整します。
- 外部のアクセサリーモデル(FBX)をインポートし、モデルのボーン(骨格)にペアレント(追従)設定を行います。
- ウェイトの調整:
- 形を大きく変えたり、新しいパーツを追加したりした場合、モデルの動きが不自然になることがあります。その際はウェイトペイントという機能で、どのボーンがどの頂点を動かすかを調整する必要があります。
- FBXファイルのエクスポート: 編集が完了したら、再度FBXファイルとしてエクスポートし、Unityなどの環境に戻して適用します。
おすすめのツール
| カテゴリ | ツール名 | 用途 |
|---|---|---|
| 3Dモデリング | Blender | ポリゴン削減、形状変更、ウェイト調整。多機能な無料ソフト。 |
| 画像編集 | Photoshop | テクスチャの色変更や書き込み。プロ仕様の定番ソフト。 |
| GIMP | 高機能な無料の画像編集ソフト。 | |
| Unityアセット | Avatar Optimizer | マテリアル統合、非表示メッシュ削除などを自動で行えるVRChatアバター向け軽量化ツール。 |
| TexTransTool | テクスチャ・アトラス化に特化したUnityアセット。 |
まとめと注意点
FBXモデルの軽量化と改変は、快適な3D体験に不可欠です。
- 軽量化は「ポリゴン削減」「マテリアル統合」「テクスチャ最適化」の3つが基本です。
- 改変は「テクスチャ編集」と「3Dソフトでの形状編集」に分けられます。
【重要】市販アセット利用時の注意点
市販の3Dアセットを改変・軽量化する際は、必ず利用規約(ToU)を確認し、再配布やパブリック利用に関する制限を遵守してください。
最初は難しく感じるかもしれませんが、Avatar Optimizerなどの便利なツールを活用すれば、手軽にモデルを最適化できます。

