こんにちは、三軸工房のなび公です。
アイデアを出した人とそれを実行し実現した人のどちらが偉いのか?
もちろんどちらも揃っていればよいですが、どちらか一方ということなら私は後者だと思います。
発想というのは重要ですがアイデアを出すこと自体は実はそれほど難しくなく、それほど特別でもないからです。
あるアイデアを思い付いたときにそれは自分だけの特別なものに思えるかもしれませんが、実は同じことを世の中の多くの人が頭の中では考えていて、ただそれを実行しなかったために誰も知る由がないというのが実際のところでしょう。
ではなぜ実行しなかったのか?それはアイデアを形にすることが難しいプロセスだからです。
頭の中にあるアイデアは粗削りで、それを実行しようとすれば必ず現実の制約に阻まれるでしょう。そこでその制約を受けて現実的に実現可能なレベルに落とし込んでいかないといけない。
そうするとそれは最初頭に思い浮かんでいたようなものではなくて、下手をするとすごくつまらないものになってしまう。ここを乗り越えて面白いものを作るというのが難しい。
なので多くの人は実現する前に諦めてしまう。
一番楽なのはアイデアを出して他人に丸投げし、実現した後にそのアイデアは一番最初に私が考えたものだと言うことです。ただそれには全く価値はないと思います。
ゼロからイチを生み出すことは尊いことですが、残念ながらアイデアを思いついて語っている段階ではまだゼロです。それを現実に実行した人がゼロをイチにします。
そしてその人がそれについて主導権を握るべきです。
①アイデアを出す
②(一人で)プロトタイプの体験を作る
③フィードバックをもらう
④需要のある形に調整する
ゼロをイチにするためにはこういったプロセスを粘り強く進める必要があります。
②の段階では通常協力してくれる人がいないので、この段階では一人でミニマルな体験を作る必要があります。これによってようやくアイデアが他人から目に見える形になります。
※AIの発達はこのプロセスをやりやすくしてくれますね。
また逆に、ここでむやみに協力者を募りすぎると形になる前にいろいろな人の思惑が絡んで瓦解します。②を作る段階ではまだ周囲に何をやりたいのか正確にイメージできている人がいないからです。
次に、③のフィードバックでネガティブな意見があがっても嫌がらずにそれを前向きにとらえて改善をはからなければいけません。自分の考えに固執しすぎずに聞く耳をもつことが重要です。
最終的に最初のアイデアとは全く別の形でそれが受け入れられることもありますが、そういうことも柔軟にとらえてゆく必要があります。何かを形にしたことで、目に見えなかった需要に気づくということですね。
結局のところ、最初頭の中で思い描いたことがそのままうまくいくなんてことは滅多にないし、仮にあったとすればそれはとっくに誰かがやっていることでしょう。
こういったプロセスを挑戦として楽しむ覚悟ができるとよいですね。